「日報の要約」に毎日時間を取られていませんか
毎日たまっていく日報や議事録。読むだけでも大変なのに、「要点をまとめて共有して」と言われると、正直気が重いですよね。
- スタッフ10人分の日報を毎朝読んで、まとめて上に報告している
- 会議の録音や文字起こしはあるけど、誰も整理する時間がない
- 議事録は書いているけど、結局誰も読み返さない
こうした困りごとは、Google Apps Script(略してGAS。Googleが用意している「Googleのサービスをプログラムで操作する仕組み」です)と、Googleの生成AI「Gemini」を組み合わせることで、かなりの部分を自動化できます。
最近はGoogle Workspaceの各所にGemini連携が広がっていて、スプレッドシートやドキュメントからも自然にAI機能が使えるようになってきました。この流れを使わない手はありません。
この記事では、日報や議事録のテキストをGemini APIに渡して要約させ、その結果をスプレッドシートに自動転記する仕組みを、手順ごとに解説します。プログラミング未経験の方でも、コピー&ペーストで再現できるように書きました。
全体の仕組みをまず理解する
作るものはシンプルです。
- スプレッドシートの各行に「日報」や「議事録」の生テキストを入力(またはフォームから自動入力)
- GASのスクリプトが、そのテキストをGemini APIに送信
- Geminiが返してきた要約文を、同じ行の別の列に自動で書き込む
これを、手動で実行するボタンにするか、毎日決まった時間に自動実行するトリガーにするか、選べます。まずは手動実行で試してから、慣れたら自動化するのがおすすめです。
手順1: Gemini APIのキーを取得する
Gemini APIを使うには、まずAPIキー(プログラムがAPIを使う際の「通行証」のようなもの)が必要です。
- ブラウザで「Google AI Studio」を検索して開く
- Googleアカウントでログイン
- 左メニューの「Get API key」をクリック
- 「Create API key」を押すと、ランダムな英数字の文字列が発行される
- その文字列をメモ帳などに一旦コピーしておく
このAPIキーは他人に見られると悪用されるおそれがあるので、スクリーンショットをそのままSNSに載せたりしないよう注意してください。
手順2: スプレッドシートとGASの下準備
- 新しいスプレッドシートを作成
- A列に「日報テキスト」、B列に「要約結果」という見出しを入れる
- メニューの「拡張機能」→「Apps Script」を開く
- エディタが開いたら、既存のコードをすべて削除して以下のような処理を書いていきます
APIキーはコードに直接書かず、GASの「スクリプト プロパティ」という場所に保存するのが安全です。
- Apps Scriptエディタの左側「プロジェクトの設定」(歯車アイコン)を開く
- 「スクリプト プロパティ」欄で「プロパティを追加」
- プロパティ名に
GEMINI_API_KEY、値に手順1で取得したキーを貼り付けて保存
手順3: 要約用のスクリプトを書く
エディタに次のような内容を書きます(実際のコードは要件に応じて調整が必要です)。
- スプレッドシートのA列のテキストを1行ずつ取得する
- Gemini APIのエンドポイントに対して、「次の文章を3行で要約してください」というプロンプトと一緒にテキストを送信する
- 返ってきた要約文をB列の同じ行に書き込む
- 全行に対してこの処理をループで繰り返す
ポイントは、Gemini APIへのリクエストにGASの UrlFetchApp.fetch() という関数を使う点です。これは「GASから外部のWebサービスにデータを送って、結果を受け取る」ための命令で、今回のような外部AIとの連携には欠かせません。
エラーが出やすいポイントとしては以下が挙げられます。
| エラーの症状 | よくある原因 |
|---|---|
| 401エラーが出る | APIキーの設定ミス、スペースの混入 |
| 429エラーが出る | 短時間に大量リクエストを送りすぎている |
| 要約が空欄になる | プロンプトの書き方が曖昧、テキストが長すぎる |
長い議事録を一度に送るとエラーになりやすいので、最初は1000文字程度に区切ってテストするのが安全です。
手順4: 実行して結果を確認する
- エディタ上部の「実行」ボタンを押す
- 初回は権限の確認画面が出るので、「許可」を選ぶ
- スプレッドシートに戻り、B列に要約文が入っていれば成功
うまくいかない場合は、まずA列のテキストが正しく入力されているか、スクリプトプロパティのキー名にタイプミスがないかを確認してください。
手順5: 自動実行できるようにする
毎回手動で実行ボタンを押すのが面倒であれば、GASの「トリガー」機能を使って自動化できます。
- Apps Scriptエディタの左メニューから「トリガー」(時計アイコン)を選択
- 「トリガーを追加」をクリック
- 実行する関数、実行するタイミング(例: 毎日午前9時)を選んで保存
これで、日報がスプレッドシートに入力された翌朝には、要約が自動で並んでいる状態が作れます。フォームから日報を送信するタイプの運用なら、「フォーム送信時」をトリガーにすることも可能です。
純正AI機能との使い分け
Google Workspaceには、Gemini APIを自分で組まなくても、スプレッドシートやドキュメント上でGeminiを直接呼び出せる機能も増えてきています。数件をその場で要約したいだけなら、こうした純正機能で十分なケースもあります。
一方で、「毎日自動で転記したい」「複数のシートやフォームと連携させたい」という場合は、今回のようにGASでAPIを直接叩く仕組みのほうが柔軟に組めます。どちらが向いているかはケースによるので、まずは純正機能で試してから、物足りなければGAS連携に進む、という順番でも構いません。
自力でやる場合の限界と、C3Worksでできること
ここまでの手順で、日報や議事録の自動要約はご自身でも十分に作れます。ただ、実際に運用してみると「APIのエラー対応が地味に大変」「フォームや他の申請ワークフローとも連携させたい」「複数店舗・複数部署で使えるように権限を分けたい」といった要望が出てくることも多いです。
そうした部分を自社の業務に合わせて設計し、保守まで含めて引き受けるのがC3Worksの仕事です。C3Worksでは、シフト管理や日報、申請ワークフローなどを組み合わせた自社専用システムを、月5万円から(サーバー代・保守管理費込み)で提供しています。「自分たちで作るには時間がない」「作ったけど誰もメンテできる人がいない」という場合は、一度ご相談ください。